コンデジで懐かしさがよみがえるヤシカ

　小学校低学年の子供の頃、お小遣いやお年玉を貯めて、どうしても手に入れたかった物がカメラ。それ以前の自分の写真が同級生に比べあまりにもなかったことや、カメラ自体のそのメカニックな魅力に取り付かれたように欲しかった。
　その当時の自分にとって精一杯のお小遣いで買ったのは中古のヤシカのカメラ。カメラ屋のおじさんから色々教えてもらいながら（その時、サービスのフィルムも入れてくれて教えてくれた。下町の優しさを今も暖かく思い感謝する）、決して大きくはない自分のその掌で欲しかったカメラを握れた嬉しさは今も言葉に仕切れない。当時、はにかみながら写ってくれた母親の写真は今もアルバムに残っている。「お前が一番最初に撮ってくれた写真だから」と母も覚えていて笑っている。

　京セラへの吸収合併で途絶えてしまったその名前を当時は残念で悔しくも思ったが、最初に手にした自分にとっての初代機がある以上はその名は消えないと思っていた。
　今、コンデジでアチコチで見かけるたびに、あれから手放してしまった自分の初代機を悔やみ切れずにいるが、次に手にするときは今よりは最低限の撮影レベル（笑）が出来るようにしようと思う。